夜勤明けの朝、まだ日も昇りきらぬ静けさのなか、廊下を何度も往復する足音が響く。
その人の名は ―― S・Sさん、76歳。
なぜ、こんなにも歩くのか。
ある朝、私は声をかけた。
Sさんから「少し話そうか」と。
Sさんはソファーに腰かけ、静かに語り始めた。
「昔はヘビースモーカーだったんだ。酒も、浴びるほど飲んだ。
でもある日、体が言うことをきかなくなってね。飯も喉を通らず、病院に運ばれたんだよ。」
病名は、糖尿病。それは、体にとって甘くない病気。
「それからは、全部やめたよ。たばこも、酒も。」
その声には、過去を悔い、今を生きる覚悟があった。
「好きなもの、よくやめられましたね?」
私がそう尋ねると、彼は笑ってこう言った。
「気持ちの問題さ。刑務所にいると思えばいい。」
冗談めかして、また笑った。
彼の歩く姿は、リズムのある祈りのよう。
病と向き合い、日々を刻む足音。
「なぜそんなに頑張れるんですか?」
そう聞くと、彼は私に少し顔を近づけ、人差し指を口にあて微笑んで言った。
「マイ・ドリーム」(内緒!!)
どんな夢かはわからない。
けれど、その瞳には確かに希望があった。
もうすぐ自宅に帰るSさん。
だが、心配はない。きっと大丈夫だろう。
Sさんの歩みは止まらない。
その夢が何であれ、彼ならきっと、たどり着くのだろう。
(インタビュアー 安部主任看護師)
今日はこの時季恒例の栄養委員会主催・食中毒予防の勉強会を開催しました。
業務の合間を縫って40名以上の職員が出席してくれましたので、今回は8つの小グループに分け、過去実際に起きた食中毒の事例をもとに、その原因や事前事後の対応について活発な意見交換を行いました。
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何故その事例が発生してしまったのか、予防することや拡大を防ぐことは出来なかったのかなど、食事の提供に関わる職員として考え話し合いました。
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各グループで話し合った内容を代表者が発表し、最後に管理栄養士の職員から勉強会の総括として食中毒予防の大切さやその方法などを改めて伝えてもらいました。
以前の食中毒予防勉強会で教えてもらった「つけない」「増やさない」「やっつける」を思い出す有意義な勉強会となりました。
栄養委員会の皆さん、出席した職員の皆さんもお疲れさまでした。ありがとうございました。
今日の看護部会議は、これまで使っていたエコー(超音波診断装置)が新しくなることに。
施設長から直接、新しいエコーの使い方を教えてもらいました。
正直、10年前までは「エコー=医師が使うもの」というイメージが強く、私たち看護師が手にすることなんて考えたこともありませんでした。でも、医療の世界はどんどん進んでいて、それに合わせて看護の現場も変わってきています。
"変化についていく"って、簡単なようで実はけっこう大変。でも、新しいことを学ぶことで、体調の変化に早く気づき、利用者さんが困る前に対応できる力が少しずつ身についていくのを感じます。
これからも、学びながら成長していく看護師でいたい。そんな気持ちを改めて感じた一日でした。
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