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「覚悟の瞬間(とき)」(↓ クリック!)
覚悟の瞬間 医療法人社団優和会 松永平太
2024年05月31日(金)

骨休め

「お父さん、病院っておもしろいんだ・・・」
「本当は歩けないのに、隣りのおバアちゃん、夜中コッソリ歩いているんだ」
「夜中に何度も同じことでナースコールを押しているんだよね」



娘が左足関節骨折で入院し、手術を受けました。
4人部屋、カーテンが引かれ、隣りに誰がいるのか見えません。
カーテン越しにチョッと漏れてくる話声で、妄想しまくる世界が広がります。



隣りにいるおバアちゃん、どうやら上品な80代半ばの女性。
お見舞いに来る娘との会話、猫の話では大いに盛り上がり「家に帰ろうね」と。
でも、娘「何で同じ話を何度もするの?」「ボケたら治るまでリハビリしてもらうからね」

人間は避けられない辛いことが起きたり、痛いことが起こると、自己防衛反応としてボケてしまうことがあります。また、病院は白いコンクリートのジャングル、何が何だか、どこにいるのか分からなくなり、混乱し、ボケていきます。骨折、入院、人生の試練です。

私が娘のお見舞いに行っている約15分の間に、何度もナースコール
本人「痛み止めをいただけますか」、看護師さん「先ほど服用したばかりですよ」
本人「今度痛み止めを持ってくるときに、一緒に睡眠薬を持ってきていただけますか」と上品に、看護師さん「まだ、昼の3時ですよ」と。

娘が「ヤクザの看護師がいてね・・・」と話し始める。私が「ヤクザの看護師は流石にいないと思うよ。ヤクザのように見える看護師って、元ヤンキーな看護師のことでは?」
娘「見た目怖そうだけど、優しいんだよね」と。娘も入院し、チョびっとボケたようです。



娘、現在病院から大学へ通学しています。朝大学へ行き、午後病院に戻りリハビリ。
そして自分のベッドへ戻ってみたら、隣りにいたおバアちゃんが突然いなくなっています。
普通の朝だったのに、隣のおバアちゃんの臭いも消えて新しい患者さんがいます。

おバアちゃん、どこに行ったのだろうか。

2024年05月27日(月)

人生100年時代における豊かな地域へ

世界一長寿の国日本の25年未来をいく南房総で理想の地域を創りたい。
そんな思いでお話をしました。30分ほどの予定でしたが50分ほど吠えました。
「人生100年時代における豊かな地域へ」という題です。



現在の平均寿命が85歳、死亡数が最も多い年齢は91歳。女性なら93歳。
癌や事故で死ななければ介護保険を使って90過ぎまで生きる時代となりました。
「わしゃ、病弱!早よー死ぬ!」と言いながら90過ぎまで生きる時代です。

思いのほか長生きする時代です。
そして、人生最期に手を抜くからみんなに迷惑をかけ、自分自身も「こんなはずじゃなかった・・・」といつの間にか地域から消えて、老いぼれ人生の最期が待っています。

人生100年と考えて人生設計をするべきでしょう。
思いのほか早く亡くなるのは周りに迷惑をかけることは少なく、困ったことは年金をもらい損なうことぐらいでしょうか。

70歳代をヤング。
80歳代をヤングオールド。ヤングかオールドかよくわからない。
90歳代をやっとオールド。

100歳になると「た・か・ら・も・の」と呼ばれ、みんなから大切にされます。
100歳以上、70年前は約100人、現在は10万人近くとドンドン増えています。
今生まれた子供が100歳を迎えるのは二人に一人との説もあります。スゴイですね。

人生100年、どのように生き切るか。
健康寿命を伸ばすことが大切で、予防医学を実践することになります。
予防に勝る治療はないです。そのために二つのキャッチフレーズを伝えました。

「70歳代を高齢者とはいわない地域」、つまり80歳以上が高齢者であり、80歳ぐらいまではゴソゴソ働いて地域貢献をしようと伝えました。健康を増進する最大の薬は働くことです。地域で役割を持ち、地域貢献をし、お小遣いまでもらえれば健康になります。

もう一つは、「日中離床」。7年前行ったデンマークでは寝たきり老人がいません。それは、昼と夜の部屋を完全に分離しているから。つまり、昼間にベッドに行かないこと、日中離床が守られているからです。逆に言えば、昼間にベッドでゴロゴロすると弱ってしまうのです。

「70歳代を高齢者とはいわない地域」モードで健康寿命が延び
「日中離床」モードで要介護状態の予防、要介護度の重度化を防ぐことができるでしょう。
お金をかけずに、健康寿命の延伸と介護保険の節約につながるでしょう。

その他にも、死を受容する文化を復活させたい、老衰のすすめ、満足死を達成するためには在宅死がベスト、地域の困りごとが起きた場合に施設収容型ではなく地域内問題解決を図って地域力を醸成させる、などをお伝えしました。熱く語ったと思います。

南房総市と共に理想の地域を創ります。
見えなく消えてしまった「死を受容」する文化を復興させたいです。
そのために、南房総市地域包括支援センター「えがお」が開設しました。



これからが楽しみです。

2024年05月10日(金)

睡眠時無呼吸症候群

私が学生のころ、卓球部の合宿で朝食を食べているとき
「昨日は、良く寝れなかったな。。。」と独り言を言ったら
周りの部員の箸が止まり、「えっ!」という声が聞こえました。



歳を取ると、睡眠の質が下がります。
若いころは朝まで爆睡でしたが、今は途中でのどが渇き、2回ほど目が覚めます。
とくにアルコールを多飲すると、疲れ切った状態で朝を迎えるようになりました。

乾杯という文字は、杯(さかずき)を乾すと書く。
だからボトルを開けたら最後まで飲む。という主義を60過ぎまでしてきました。
でも、もうダメ。体と頭が壊れてしまいます。



私が眠りに陥ろうとすると、ご主人様が私の鼻をつかみます。
「先に寝ちゃダメ!あんたのイビキはうるさい!」と。
「えっ?スヤスヤ寝ているのでは。。。」と私は呟く。

疲れ切った状態で目が覚める。
食後のミーティングでは眠気に襲われ気絶してしまう。
車の運転をしていると、どうしようもない眠気が襲ってくる。



これは、異常です。
てなわけで睡眠時無呼吸症候群を疑い、簡易検査をしてみました。
その結果は、見事に一発合格しました。

AHI(無呼吸・低呼吸喚起指数)が41回/時間と重症。中枢性ではないです。
睡眠中に酸素飽和度が70%ほどまでに下がる時があるそうです。
低酸素によるストレスで、高血圧症が増悪することも理解できます。



体重75Kg、身長180㎝、BMI 23.1、そんなに太っていない。
息を止めて死んだ奴はいない。イビキをかいて死んだ奴もいない。と思っていた私。
さあ、CPAP治療が始まります。どんな世界が待っているのでしょうか。


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