~ 理事長のブログ ~

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2020年12月30日(水)

新型コロナ騒動2020

松永醫院が、新型コロナのクラスターにやられた・・・という噂が立っているとのこと。
違う!松永醫院は、新型コロナに負けない診療所である!ということを証明したのです。
そんな2020年の年末に起きた新型コロナ騒動を紹介しますね。

南房総市にある私たち笑顔グループとは関係のない介護施設"A"で、新型コロナのクラスターが起きました。新型コロナ騒動の発端は、子供夫婦とおバアちゃんの3人暮らしで、子供が外から新型コロナを持ち込み、おバアちゃんにうつしてしまったのです。

そのおバアちゃんが介護施設"A"の通所リハビリに通い、そこで、複数の利用者とスタッフに新型コロナをうつし、クラスターが発生しました。新型コロナをうつされた利用者が、次にヘルパーさんにうつしてしまい、そしてそのヘルパーさんが複数の在宅高齢者にうつしてしまいました。

松永醫院通所リハビリに通っている利用者一人がそのヘルパーさんから新型コロナに患った事がわかったのが、12月29日火曜日の夕方6時過ぎです。12月29日は松永醫院の仕事納め。午前中は普通に診療をし、午後は大掃除。そして、東京へ向かう途中で緊急連絡を受けたのです。

松永醫院通所リハビリの責任者・嶌田くんから電話連絡を受け、直ぐに千倉に戻りました。
松永醫院に着くと、通所リハビリの責任者・嶌田くんだけでなく、事務長のかな江さん、外来師長の美砂さんも待ち構えていて、事実把握と関係部署に連絡を取りまくりました。

新型コロナ陽性利用者が松永醫院通所リハビリを利用したのが、12月25日(金)の午後。
その利用者が新型コロナにかかっていることが判明したのは、12月29日夜6時過ぎ。
私が松永醫院に戻ったのが午後9時過ぎ。すぐに安房保健所へ連絡し、相談しました。

松永醫院通所リハビリは、ご飯も風呂も付かない、半日の短時間通所リハビリです。
濃厚接触する場面は少ないです。しかも、スタッフは当然全員きちんとマスクを付けており、利用者もマスクを付けるよう促しております。当然、濃厚接触者はいなく、感染するリスクは非常に少ないと考えました。

しかし、より安全を期するためにもPCR検査をした方が安心だと考え、夜10時近くでしたが保健所にお願いしました。12月25日午後の利用者14名全員とスタッフ全員6名、合計20名のPCR検査を私が検体採取することで保健所に相談しました。そしたら、気持ちよくOKの返事。有難や!

12月30日午前中、家族の車で松永醫院まで来ていただき、ドライブスルー方式で咽頭ぬぐい方式にてPCR検査を行いました。当然、私はFull PPE、宇宙人姿で検体採取しました。嶌田くん、美砂さん、かな江さんに加え、ケアプランセンター所長の真利子さんが助けてくれました。感謝!

12月30日夕方、全員の新型コロナPCR検査が陰性の知らせが届きました。当然の結果と思うものの安心しました。さっそく、各利用者、スタッフに陰性結果をお知らせしました。
と同時に、松永醫院通所リハビリをいつから開始すべきか相談しました。

PCR検査全員の陰性、濃厚接触者はいない、濃厚接触する入浴、食事などのケアは提供していない、何よりも日頃から利用者とスタッフのユニバーサルマスクを心掛け、アクリル板を用い、手指消毒などの感染予防対策を取っているので、通常通りの2021年1月4日からスタートすることに決めました。

「あのコンビニだって。1か月前にコロナ陽性の人が寄ったところは」
「えっ~、本当!危ないはね。」
「行くと罹っちゃうかもしれないから、行くのやめよ!」

田舎出の風評被害は怖いです。さっそく「松永醫院でクラスターが出たんだってね。」と噂を聞きました。ということは「松永醫院は危ない医療機関だよね」となります。
そんな風評被害を起こさせないよう、これからの対策が大切になるでしょう。

松永醫院通所リハビリの責任者・嶌田くん、松永醫院外来師長つまり私の上司である美砂さん、松永醫院事務長のかな江さん、松永醫院ケアプランセンター所長の真利子さん、何も指示していないのに、正月休みなのに、自主的に手伝ってくれて感謝しても感謝しきれません。

良きスタッフ、仲間に支えられて、松永醫院が運営できます。
すでに、松永醫院は日本一の診療所になっていると思います。
でも、地球一の診療所を目指し、2021年も工夫をしまくります。


2020年12月27日(日)

Christmas2020

「私は、サンタさんの親戚のヘータさん!」の季節が今年も来ました。 金ピカのヤドカリ帽子をかぶり(これ結構しっかりした帽子でスタッフが作ってくれました。感謝)、クリスマスプレゼントを在宅の患者さんに配っております。「耳」に「心」と書いた字が読めない季節でもあります。





今まで会いたいのに会ったことがないのは、サンタさんとへのカッパです。皆さんは会ったことがありますか。サンタさんとは会ったことがないのですが、サンタさんになることは毎年恒例です。今年は、未だ経験したことがないマスク付きのサンタさんで現れています。

私は、本当は恥ずかしがり屋なのに「耳」の右横に「心」と書いた漢字を読めなくなり、日常の普通の生活の中に少しでも気持ちの良い風が入るようにと考えて続けて来ました。でも、これ、「私、へー子さんよ!」の忘年会での女装と同じでクセになります。ですので、付き合ってくれるスタッフにも感謝です。



2020年は東京オリンピックなどがあるはずだったのに、新型コロナのために薄っぺらい一年になってしまいました。学会、コンサートなどのイベント、修学旅行など、すべてが中止。でも、ユニバーサルマスク、オンライン授業、ステイホームと生活様式が一変し、自分の足元を見ることができました。

大切なものは、困らないと見えてきません。病気になったり、災害に会ったり、困って初めて知ることができます。大切なこと、それは家族であり、何でもない普通の毎日かもしれません。新型コロナのおかげで、家族と一緒に過ごす時間が増えました。千倉にいる時間が増えました。





千倉にいると、自宅にいると、何となくホッとします。
居心地が良い、おさまりが良い、母の胎盤の中にいたころを思い出します。
人間としての源点を気付かせてくれた2020年です。


2020年12月15日(火)

文章が突然消えた

本日の朝の気温、5度。冬本番が始まりました。南房総、真冬でも花摘みをする地域です。
暖かいのです。私も、50歳までは真冬でも靴下をはかずに往診していました。 でも、今は、レイノー症状が出たこともあり靴下をはくようにしており、周りには「靴下がやっと買えるようになりました」と言っています。



明日載せようと思った私のブログ文章、突然消えてしまいました。せっかく書いたのに・・・。
私のパソコンが勝手に自動更新し、名前を付けて保存していない文章が消えてしまいました。保存していない文章の回復、ゴミ箱の中まで確認しましたが、見つけることができませんでした。

メールでも、送信済みアイテムがすべて消えてしまいました。困ったものです。
誰に何を書いたのかがわからなくなり、再び連絡したいと思ってもメールアドレスがわからなくなっております。突然の停電と同じで、当たり前のことができなくなってしまうことは困ります。

私自身、パソコンとiPadをもっておりますが、スマホは持っておりません。スマホは、画面が小さすぎて、字が読めません。iPadがあれば用が足りると考えていました。しかし、最近、iPadは携帯性ではスマホと同じで優れているのですが、電車を乗る時、物を買う時、老後の徘徊を考えると、スマホが必要かなと思うようになりました。

スマホに入っているアプリが便利であったり、決済が簡単にスマホを用いてできるようになっている現状をみて、認知症を患う高齢者であってもスマホを導入する価値があると思います。将来認知症になること間違いなしの私は、GPS機能のある徘徊探知機能が付いているスマホを今から購入しようかと迷っております。

インターネットを用いた生活が普及し、生活がドンドン便利になっております。
生活様式も変わっております。GAFAという国際的巨大企業も新たに生まれています。
日本では、「東芝とかサンヨー、それはどんな会社ですか?」と質問してくる若者がいるようです。

変化する社会の中で、新しい生活様式を獲得し、新しい習慣、文化を創る時代になりました。
細やかに名前を付けて保存するようにしませう。
謙虚になり、ご主人様、娘たちから指導を受けることにしませう。


2020年12月03日(木)

いき方宣言・人生会議

まだ元気なころに、いつか必ず来る、まさかなことを考えてみよう。
ACP(Advance Care Planning)、人生会議とか呼ばれたり、終活とも呼ばれたりもします。
生まれてきた以上、老いて、病になり、死んでゆきます。今まで、死なない人に出会ったことがないです。

私は、施設に入っている人、急変がありえる高齢者全員に、次の3つを必ず聞いています。

一つ目、人生の最期、どこで過ごしたいですか。そして、どこで死にたいですか?
「まだ元気なうちに考えていただきたく、場所としては、自宅、病院、施設、場合によっては子供のところなどがありますが、どこで死にたいですか。」と聞きます。

95歳のおジイちゃん、「医者のくせに、縁起でもないことを聞くな。その時になって考える!」と怒ります。私は「ゴメン、ゴメン、でっ、どこで死にたいですか?」とめげずに何度でも聞き直します。だって、急変したときは、自分の考えを言うことができないし、119番に連絡しちゃいますよね。

二つ目、急変したときに侵襲性の高い治療を望みますか?
たとえば、心臓が止まったら心臓マッサージを希望しますか。新型コロナで重症肺炎になったら、人工呼吸器、ECMOの装着を希望しますか?と質問します。

心臓マッサージ??マッサージだったら気持ちがよさそうだから、お願いしてみようかな。。
やれることがあるのなら、フルコースでトコトンお願いします!とかなり前向きの治療を望む人、家族がたまにいます。本人の希望、家族の希望は聞くようにしますが、困ったものです。

90歳過ぎて心臓が止まったら寿命なのでは。寿命が来ているのに心臓マッサージをして再び心臓が元気よく動き始めることはほぼ無理。しかも、胸骨、肋骨をへし折りながら心臓マッサージしますので、痛くて死んじゃうんじゃないかと心配になっちゃいます。

新型コロナで重症肺炎になってしまったら、高齢者は助かる人は助かる、助からない人は何をしても助からない世界が待っているような気がします。ECMOを付けるとICUの奥の部屋に隔離され、最期のお別れもできなくなるでしょう。それよりも「ご苦労様でした。」と手を握ってあげた方が人間らしいと思います。

忙しい外来の中で聞きますので、複数回、何度でも来るたびに聞き直します。すると、ほぼ全員、最期はできれば自宅、侵襲性の高い治療は希望しない(DNAR)と答えます。心臓マッサージなんかしたら痛くて死んじゃうだろうし、ECMOは足りないようだから若い人に譲りますと言います。

ならば、ご本人、ご家族に「急変したら救急車を呼んだらダメですよ。」と伝えています。
救急車を呼んでしまったら、心臓マッサージをしながら病院に運ばれ、病院で最期を迎えちゃうことになります。だから、急変した時には私を呼ぶようにと患者さんには伝えています。

そして三つ目、人生の最期、食べられなくなったら経管栄養法を希望しますか?
食べないと死んじゃうのだから、管を使って水分と栄養を補給すれば2,3年は長生きができます。だから、鼻から胃袋へ管を入れたり、胃袋と腹の間にトンネルを作る胃ロウを増設しますか?と聞きます。

私は、長生きは〇でも×でもないと考えています。長生きしてQOL(いのちの質Quality Of Life)が上がれば◎であり、QOLが下がると×になります。寿命が来て食べられなくなっているのに、経管栄養をして長生きをしても辛い時が長らえるだけで、QOLは下がる場面をたくさん見て来ております。

繰り返しますが、食べないから死んじゃうのではなく、寿命が来ているから食べられなくなります。寿命、与えられたいのちの限りがあるのです。その寿命を受け入れないと、医療が暴力的になることがあるのでご注意ください。私自身は食べることは生きること、食べられなくなったら寿命と考え、潔く死のうと考えています。

松永醫院の外来では「いき方 宣言」という宣誓書が、置いてあります。
いき方 = 生き方 = 逝き方 です。



・どこで死にたいですか?
・急変した場合、どうしますか?
・食べられなくなったらどうしますか?

まだ元気なうちにまさかのことを考えると、生きることが見えてきます。
人間は困らないと大切なことが見えてきません。
大切なもの、家族であり、豊かなつながりだと思います。


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